STORY

永遠に咲きつづける花はなく、美しく咲くもいずれは枯れる


  雨が降り続ける森の奥深くにあるサナトリウム。
  そこは《クラン》と呼ばれ、
  繭期(人間でいうところの思春期)の吸血種の少年少女たちが療養しながら暮らしていた。
  そのクランから、シルベチカという一人の少女が失踪する。
  友人であるリリーはシルベチカをさがし求めるが、サナトリウムの仲間たちは誰も彼女を覚えて
  いなかった。
  シルべチカとは、リリーの妄想が生み出した幻なのか。
  疑念にかられるリリーであったが、スノウという少女がシルべチカを覚えていることを知る。
  また、ファルスと名乗る少年がリリーに接近してくるのだった。
  少女たちの秘密が明かされる時、残酷な運命の扉が開く───